を読み終えて強く感じたのが、このメッセージでした。

日本のおもてなしの要諦をひと言でいえば、「相手の立場に立つ」こと。
相手が何を考え、何を求めているかを瞬時に見抜いた上で、一人ひとりに合わせた最善の応対方法を見出すことが肝となります。

キーワードは「同質性」と「集団主義」
同質性の高い日本人は、対立を回避するためなら自分に非がなくても気軽に謝罪の言葉を口にします。
日本人の人間関係の基本は、あくまで調和。
良いコミュニケーションを維持するためなら、場合によってはメンツやプライドを捨てることだって厭いません。
集団主義の特性を持つ日本人は、規律や秩序を好み、周りに配慮したコミュニケーションを心がけます。
時には自分を犠牲にしてでも、全体の利益に貢献しようとすることもあります。
集団のなかでは、言葉を重ねなくても相手が何を考えているかを察し、先回りして相手の望みに対応できるタイプが、機転が利く人として好まれる傾向があります。

和の精神は、日本人のコミュニケーションスタイルのベースともいえるものです。

日本のお客さまを相手にする販売員にとって、これは欠くべからざる要素といえます。
そして瞬時に「和」を築ける販売員だけが、お客さまの心からの支持と信頼を得ることができるのです。

仕事の成果物に対する着眼傾向を国際比較したとき、全体感や汎用性を大切にする「全体重視」の国と、完成度を重視し、細かい点までこだわる「詳細重視」の国に分けられます。

アメリカ、イギリ、スインドなどが全体重視の代表的な国であるのに対し、日本は最も詳細重視の国に位置づけられます。

その場で文句を言わないで二度と来なくなるのが日本のお客さまの特性です。

そして今は、こうしたサイレントクレーマーが店に多大な被害をもたらす時代になりました。
販売員としては、お客さまの不快ポイントを的確に見抜き、不満の芽を事前にしっかり摘んでおくことがとても大切なのです。

大前提として、外国人スタッフに気づきを促すコミュニケーションスタイルは通用しないと思って接したほうがいいでしょう。

ポイントは、ホンネで はっきり 具体的に 細かく伝えることです。
常識や言わずもがなと思われる内容でも、いちいちすべて言語化する必要があるのです。
会話量は日本人を相手にする場合の5割増しくらいでちょうどいいと思います。

外国人スタッフに対しては「見える化」と「数値化」に留意してルールづくりや目標設定をするのが基本です。

スタッフ全員で認識を共有できる仕組みができているか、誰が見てもわかる形になっているか、といった点がポイントで、内容が具体的であればあるほど効果的です。

外国人スタッフに何か重要なことを伝えようとするときは、話を大げさに強調するだけでなく、同じ内容を耳にタコができるくらい何度も繰り返さなければなりません。

「当たり前のことや常識と思われる内容でも言語化する」
「重要なことは最低3回説明する」
「理解していない可能性を感じたら表現を変えて言い直す」
こうした点を常に心がけて指導する必要があるのです。

外国人スタッフの発言の傾向や特徴も、日本人とは異なる点が数多くあります。

たとえば外国人スタッフが、できないのに「できる」と言ってしまう傾向がある点は、その代表的な例としてよく挙げられます。
仕事を振られたとき、日本人は十分な経験がなければ「できない」と言うのに対し、多くの外国人は自分の能力を過信し、ときにはハッタリで「できる」と言います。
一回でも経験があればまだマシなほうです。
中には自分にはポテンシャルがあるという意味で、未経験なのに「できる」と言ってしまう者もいます。
日本人と明らかに「できる」の定義が違うのです。

日本人の考え方や要求レベルを教えるときに、気をつけるべきポイントがひとつあります。

それは「なぜなら~」「このような経緯で~」といった理由や原因をしっかり説明することです。
「日本人にはこういった傾向があります。だからこうしてください」と結論部分を表面的に伝えただけでは、外国人スタッフの意識や行動を変えるのは難しいでしょう。
なぜなら原因や理由や原因をよく理解しない限り、コトの重要性を認識することはできないからです。
そして理由や原因を伝えるときは、場合によっては日本の文化や歴史まで掘り下げて教える必要があるでしょう。
理由や原因が薄っぺらであれば、説明に納得性が生まれないからです。

私は外国人マネジメントの場面においては、ほめ言葉の量をさらに増やして、ほめ言葉と叱責の比率を5対1程度にすべきと考えています。

5回ほめて1回叱るくらいがちょうどいいです。
私はこれを「5対1の法則」と名付け、ふだんの研修でも日本人マネージャーの皆さんに強く推奨しています。

日本で生活するアジア系人材には、共通する特性があります。

それは非常にプライドが高く、やたらメンツにこだわるということ。
中国人、台湾人、タイ人、フィリピン人、ミャンマー人、カンボジア人など、アジア諸国の人材は総じてこの傾向を強く持っています。
メンツにこだわる相手に絶対やってはいけない行為が、「人前で叱る」こと。
これだけは、とにかくやってはいけません。

この本に書いてあること、異国の方とだけでなく、異世代とのコミュニケーションにも通じますね。
心がけます。