今月の課題図書『「やる気を出せ!」は言ってはいけない』(石田淳さん)


行動に焦点を当てて再現性にこだわったメソッド「行動科学マネジメント」をわかりやすく紹介した一冊です。

◆部下が自ら喜んで仕事をする環境の基本形
●自分の行動がきちんと測定・評価され
●具体的な行動を表した言葉が使われ
●部下との信頼関係にあるリーダーが導いている

◆ネガティブとポジティブの違い
ネガティブ、ポジティブの根底にあるのは、考え方ではなく「行動」なのだ。
つまり、ネガティブな人とは、何か問題が起きたときに「逃げる行動をすることで問題を解決してきた人」。
アボイダンス(嫌なことを避ける)行動の習慣が影響しているのである。
逆にポジティブな人とは、「積極的に環境を改善する行動をして問題を解決した人」といえる。

◆物事を続けられない理由
①やり方が分からないから
②やり方は知っているが、続け方を知らないから。
「やり方」「続け方」とは、行動にほかならない。
したがって、行動を続けるためにどのように環境条件を整えるかを考えるべきなのだ。

◆ABCモデル
行動科学マネジメントでいう行動は、三つの要素から成り立っている
・先行条件(Antecedent)
行動を起こすきっかけ
行動する前提の環境
・行動(Behavior)
行為、発言、振る舞い
・結果(Connsequence)
行動によってもたらされるもの
行動した直後の環境変化条件

◆行動の二つのタイプ
・不足行動
これから始めよう、続けようとする行動を指す。
やるべきだと思っていながら現在はまだやっていない行動だ。
これを増やそうとして増やせないのが、すなわち「続かない状態」である。
・過剰行動
やめたい行動をいう。
長い目で見れば自分のデメリットになるものが多い。
一念発起してやめようとするが、なかなかやめられない。
これも「続かない状態」だ。

◆二週間以内
行動が発生してからすぐに確実な結果を与えなければ行動を繰り返さず、実験の結果、六〇秒以内が効果的である、とされているが、六〇秒以内に評価することは、現実的にはむずかしい。
しかし人間は言語を使うことができるため、「いつまでに評価される」というある程度のルール化が可能だ。
そのため、「最大でも二週間以内」にリインフォースすることで、行動を繰り返す効果があるということが、実験で明らかにされている。

◆強化
強化には「即時強化」と「遅延強化」の二種類がある。
即時強化とは、簡単に言えば「すぐに認める」ということである。
また遅延強化は、これとは逆に「時間がたってから認める」ものだ。

◆結果を出すための正しい手順
①ピンポイント
結果に直結した行動を見つける
②メジャーメント
測定
実際にどのくらいの行動をしたのかを、カウントする
③フィードバック
自分の行動と結果のメジャーメントした数値を表示する
④リインフォース
強化
自分の動機づけ条件
⑤評価
自分が「目標どおり行動できたのか」「行動が足りなかったのか」を評価する

◆MORSの法則
・Measured(計測できる)
⇒数値化できる行動か?
・Observable(観察できる)
⇒誰が見てもわかる行動か?
・Reliable(信頼できる)
⇒誰が見ても同じ行動になっているか?
・Specific(明確化されている)
⇒誰が何をどうしているかが明確か?

「もっとやる気を出せ」
「常識で考えればわかるだろ」
「もっと頭を使え」
「もっとしっかりやりなさい」
「モチベーションを上げなさい」

部下や後輩に対して、こんな言葉をつい口にしてしまう方にオススメの一冊です。

「やる気を出せ!」は言ってはいけない(石田淳さん)