タイトルに惹かれて手に取ったら、最初のエピソードが衝撃的でした。
平均思考は捨てなさい』(トッド・ローズ)


◆一九五〇年、オハイオ州ライト空軍基地
四〇〇〇人以上のパイロットの体のさまざまな部分を測定した。
対象になったのは実に一四〇カ所で、親指の長さ、股下の長さ、目から耳までの距離も含まれた。
(中略)
航空医学研究所で手や足やウエストや額を測定しながら、ダニエルズは頭の中で同じ質問を繰り返した。
実際のところ、平均的なパイロットは何人存在するのだろうか。
彼はその答えを見つけようと決心する。
そして、四〇六三人のパイロットから集めた大量のデータを使い、コックピットのデザインに最もふさわしいと思われる平均的な寸法を身長、胸回り、腕の長さなど、一〇カ所について計算した。
そのうえで、この「平均的なパイロット」の体のサイズとの誤差が三〇%以内ならば、おおむね平均に該当するものとみなした。
(中略)
結果はゼロ。
四〇六三人のパイロットの中で一〇項目すべてが平均の範囲内に収まったケースはひとつもなかったのである。
平均と比べて腕が長く、足が短いパイロットがいるかと思えば、胸回りが大きいのに腰回りの小さいパイロットも確認された。
それだけではない。
一〇項目を三項目に絞り込み、たとえば首回り、腿回り、手首回りに注目してみても、三つに関してすべてて平均値におさまるパイロットは三.五パーセントに満たなかったのである。
ダニエルズが発見した答えは明快で、議論の余地がなかった。
平均的なパイロットなど存在しないのである。

◆バラツキの原理
複雑で「バラツキ」のあるものを理解するために、一次元的思考は役に立たない。

◆コンテクストの原理
個人の行動はコンテクストすなわち特別の状況に左右されるもので、コンテクストから切り離して説明することも予測することもできない。
一方コンテクストがおよぼす影響は、当事者がどんな特性の持ち主かによって異なってくる。
言い換えれば、行動は特性だけ、状況だけで決まるわけではない。
両者のユニークな相互作用によって生まれるのだ。

◆迂回路の原理
この原理からは、ふたつの重要な指摘の正しさが確認される。
人生のあらゆる側面において、そしていかなるゴールを目指そうとも、同じゴールにたどり着く道はいくつもあって、しかもどれも妥当な方法だということがひとつ。
そしてもうひとつは、最適な経路は個性によって決定されることだ。

◆成功までの道なき道
私たちは全員が特殊なケースなのだ。
個性に関する一連の原理を理解すれば、あなたはこれ以上ないほどうまく人生をコントロールできるようになる。
平均が押し付けてくる型にこだわらず、ありのままの自分と向き合えるようになるからだ。

◆個人の時代の教育
●ディプロマではなく、資格証明書を授与する
●成績ではなくコンピテンシーを評価する
●教育の経路を学生に決めさせる

講師としての接し方の参考にもなりました。
平均思考は捨てなさい』(トッド・ローズ)