表紙から「面白そうなことが書いてありそうだ」と期待して手に取りました。
仕掛学』(松村真宏さん)


読み始めたら面白くて、札幌に向かう飛行機の中で一気に読み終えてしまいました。

本書には何気なく目にしている光景に隠された仕掛けが32こ紹介されています。
その一部は↓
・ファイルボックスの背表紙に斜線を引く
⇒整理整頓できるようになる
・バスケットゴールのついたゴミ箱
⇒自然に片づけが進む
・男性トイレの小便器に的をつける
⇒トイレをきれいに使うことになる
・小さな鳥居を設置する
⇒ごみを捨てづらくなる
・消費カロリー表示のついた階段
⇒エスカレーターではなく階段を使うようになる

このような仕掛けの効果を、著者の柳田さんはこう語っています。

このとき「したほうが良い」と直接伝えても効果がないことは明らかなので、「ついしたくなる」ように間接的に伝えて結果的に問題を解決することを狙うのが仕掛けによるアプローチである。

印象に残った箇所

◆良い仕掛けと悪い仕掛け
「良い仕掛け」と「悪い仕掛け」の区別は簡単である。
仕掛ける側と仕掛けられる側の双方の目的を知ったときに「素晴らしい、こりゃ一本取られた」と笑顔になるのが良い仕掛けであり、「だまされた、もう二度と引っかからないぞ」と不快にさせるのが悪い仕掛けである。

◆仕掛けを定義する3つの要件「FAD」
・公平性(Fairness)
誰も不利益を被らない
・誘因性(Attractiveness)
行動が誘われる
・目的の二重性(Duality of purpose)
仕掛ける側と仕掛けられる側の目的が異なる

◆行動の選択肢を増やす
仕掛けは「行動の選択肢を増やすもの」ということもできる。
新たに生まれた行動の選択肢のほうが魅力的であれば自ら進んで行動を変えるだろうし、興味を引かれなければこれまでの行動を行えば良い。

◆アナロジー
アナロジーは初めて見たものでもなじみの深いものに変える(異質馴化)ので、直感的に仕掛けに対する望ましい振る舞いを人に伝えることができる。
それと同時に、アナロジーは馴染み深いものを異質なものに変える(馴質異化)ので、人の興味を引くようになる。
うまい仕掛けの多くはアナロジーの使い方が巧みであり、異質馴化と馴質異化を同時に引き起こすことで直感的に人々の興味を引き、行動を誘うことに成功している。

◆行動観察
世界は仕掛けにあふれているが、仕掛けに気づかないことも多い。
そのようなときは、人々の行動を観察することが仕掛けに気づくきっかけになる。
行動観察はいつでもどこでもできるし、何より仕掛け探しは楽しい。
ぜひ一度挑戦して面白い仕掛けを見つけてみてほしい。

これからはボーっと見るのではなく、仕掛けが隠れていないかを意識して観察します。

仕掛学』(松村真宏さん)