人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?』(山本一成さん)


本書著者の山本さんは、プロ棋士に初めて勝利した将棋プログラム「ポナンザ」の作者です。

◆そもそもコンピューターとは何か?
「簡単な計算」と「記憶」。
繰り返しますが、コンピュータは基本的に、この二つ以外のことはできません。
コンピュータがそれ以外のことができるように見えたとしても、それは「簡単な計算」と「記憶」を使っていろいろな問題を上手に解決できるよう、プログラマと呼ばれる人たちが、コンピュータに指令を与えるプログラムを書くことで解決しているのです。

◆現在の人工知能
今の人工知能は、プログラマが書いた部分と人工知能自身が学習した部分で構成されている。
「探索」にあたる部分は主にプログラマが書き、「評価」にあたる部分は人工知能が担当する。

◆解釈性と性能のトレードオフ
つまり人工知能の性能を上げるほど、なぜ性能が上がったのかを説明できなくなる、ということです。

◆怠惰な並列化
「複数のコアがバラバラに1つの処理をする」形での並列化なのです。
(中略)
各コアは別々に作業するのですが、各コアがたまたま発見できたよい情報は全体で共有されます。
このへんのゆるい協力関係を「怠惰」と表現しているのだと思います。

◆過学習とは
丸暗記したディープラーニングは、学習した問題を非常によく解けるようになります。
一方で、まったく未知の問題には、丸暗記すればするほど正解率が落ちていきます。
これらがすべての人工知能の研究者が恐れる「過学習」の状態です。

◆強化学習とは何か
強化学習では、未知の環境であってもコンピュータが投機的に調べて、結果をフィードバックすることで学習していくのです。
フィードバックを繰り返すことによって「評価」が”強化”されるから、強化学習と言うんですね。

◆知能と知性
知性=目的を設計できる能力
知能=目的に向かう道を探す能力

◆いい人理論
人類が「いい人」であれば、人工知能はシンギュラリティを迎えたあとも、敬意を持って私たちを扱ってくれるでしょう。
尊敬と愛情を感じる親であれば、年老いたあとも子供が寄り添ってくれるように。
未来の人類と人工知能が、そのような関係になることを私は心から祈っています。

人間は人工知能と共存できるか?
山本さんの最後の言葉に考えさせられました。
人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?』(山本一成さん)