夏休みの課題図書として手に取った『ビジネススキル・イノベーション』(横田尚哉さん)
読んでいてグッときたのが、このフレーズでした。
感性で決め、知性で測り、理性で示す
未来を見るのは経営者の仕事、過去を分析するのは管理者の仕事、現在進行形で計画を前に進めるのは作業者の仕事です。
経営者が過去の分析で満足したり、手足を動かすことだけで充足していてはいけません。
むしろ過去や現在は、他の人に任せておけばいい。
未来のビジョンを思い描いてこそ、経営者たりえるのです。
研修で使えそうなネタ
◆形容詞を使わず、数詞で話す
変換ミスを防ぐために意識してほしいことが一つあります。
それはコミュニケーションに形容詞を使わないことです。
早い、遅い、大きい、小さい、多い、少ない、高い、低い-。
これらの形容詞は、情報伝達において誤解を生む原因になります。
(中略)
共通の単位として活用したいのが数詞です。
「早い時間帯に」は聞く人によって頭に思い描くものが変わるので共通の単位になりませんが、「午後三時までに」といえば誰でもわかります。
◆時間軸でホウ・レン・ソウを区別する
報告は、過去の出来事に関するコミュニケーションです。
緊急性は低いですが、そのぶん正確性や記録性が求められます。
(中略)
相談とは、いま起きていることに関するコミュニケーションです。
現在進行形なので緊急性は高めです。
過去を報告すると違い、内容は流動的あるいは議論的です。
(中略)
連絡は、未来の予定に関するコミュニケーションです。
(中略)
連絡した情報は、予定が実現した時点で不要になります。
その意味では一時的であり、ずっと残しておく必要はありません。
◆教えることで一段高い視点を獲得する
理解には三つの段階があります
一段階目は、「言語的理解」です。
人にものを教えるためには、まず自分の頭の中にあるものを理解して、コトバに置き換える作業が必要になります。
この場合は、自分の具体的な経験をそのままコトバにして伝えるだけなので、経験のコピーに近い。
いわば「一を知って、一を教える」状態です。
次の段階は「抽象的理解」です。
具体的な経験を伝えるだけでは、状況が変わったときに、相手は教わった以外のケースに対応することができません。
汎用性を持たせるには、具体的な経験を一般化して、より単純にわかりやすく伝えなければなりません。
ここで問題になるのが、抽象化の能力です。
個別の事例を一般化して伝えるには、まずは自分が事象を抽象的に理解する必要があるからです。
抽象化した知識が連なって一つの方向にまとまると、もっとも高い「体系的理解」の域に達します。
体系的に事象を理解すると、自分は経験がないことについても理解が進みます。
ここまで理解を深めてから教えるのは、「一〇を知って、一を教える」状態です。
◆集めて区別ではなく、区別して集める
最良の情報を見極めるには「質」「量」「場」の三つの視点が必要です。
情報の「質」を判断する基準は、「正確性」「有効性」「信憑性」です。
市場のリサーチ情報を例に説明しましょう。
正確性が高い情報と、バラツキの少ない情報です。
(中略)
情報の有効性は、正しいサンプルから導き出したものかどうかで決まります。
(中略)
信憑性は、情報に歪みがないかどうかで判断します。
◆人脈のファンクションを考える
重要なのは相手から求められているファンクションを満たすことです。
ファンクションを満たすことができれば、リソースの量は多かろうと少なかろうと、たいした問題になりません。
つまり、お互いにファンクションでつながるのが本当の人脈といえます。
仕事をスムーズに進めるための67のコツが詰まった一冊。
ペラペラめくるだけでも、いますぐ使えるコツが見つかるはずです。
『ビジネススキル・イノベーション』(横田尚哉さん)
大谷更生の発想の源泉をお届けするために、毎日12:00に配信しているメールマガジン『日刊「大谷更生」』の読者登録は↓