350ページを超える分厚さに何度も手に取るのをためらった『NO FLOP! 失敗できない人の失敗しない技術』(アルベルト・サヴォイヤ)


3週間以上かけて、ようやく読み終えました。

著者は「新製品失敗の法則」に打ち勝つ独自のアプローチを世界各地で指導する起業家・イノベーター・講演家。
サン・マイクロシステムやグーグルで技術者として活躍した経歴を持っています。

本書で最も印象に残ったのは「ライトイット(The Right It)」、適切に実現すれば市場で成功するアイデアを見つけるための「プレトタイピング」のアプローチです。
「プレトタイピング」とは、さまざまなツールや手法を用いて、新鮮なうえに強い関連のある、信頼できて統計的にも有意な市場データを新商品のアイデアについてなるべく手早く低コストで手に入れること。
「プレトタイピング」で用いられる特定のしかけやテクニックを「プレトタイプ」と呼び、本書では8つ紹介しています。

①メカニカル・ターク型
機械しかけのトルコ人
対象となる技術が高価だったり、複雑だったり未完成だったりするときで、その技術がおこなうはずの機能を人間がひそかに行うこと

②ピノキオ型
「実際に機能し、自分の命令を実行してもらえるふりをする」という単純なことで、自分がそうしたデバイスをどこで、どんなふうに、どれくらい使うかというYODを手に入れられ、さまざまなヒントも得られた

③ニセの玄関型
自分のアイデアがどれだけ多くの人に興味をもってもらえるかを調べる手段として、「玄関口(たとえば、広告やウェブサイト、パンフレット、実際の店頭など)」を設け、その製品やサービスが実在するかのようなふりをする

④ファサード型
街路や広場などに面する建物の正面玄関のことを指す
お客候補がドアをノックしたり、購入ボタンをクリックしたりすると、誰かが応答するか、何かが起きるのだ

⑤YouTube型
「映像の魔法」を使って、まだ製品化されていないアイデアや、広く入手できない製品に生命を与え、ターゲット市場に実感してもらえるようにする

⑥一夜限り型
この名前は、特定の場所で一夜限りのショーや舞台を開催するというパフォーミングアートの世界のアプローチにちなんでいる

⑦潜入者型
自分の製品を、同じような製品を扱う他人の販売環境にしのばせ(実店舗とオンラインストア、どちらでも可能だろう)、「身銭」を切って購入してくれるくらい関心をもつ人がいるかどうか見てみるのだ

⑧ラベル貼り替え型
別のラベルを貼るだけで、もとの商品とは異なるものであるかのように見せかけ、人々が関心をもつかどうかを確認できる

本書を理解する重要なキーワード

◆FLOP
失敗(Failure)の原因は、市場参入(Launch)か機能(Operation)、またはコンセプト(Premise)である。
(1)市場参入(Launch)の失敗
販売やマーケティング、流通のいずれかに問題があり、対象市場に到達するために最低限必要な認知度や在庫を確保できなかったときに起きる
(2)機能(Operation)の失敗
新製品のデザインや機能、信頼性の面で、ユーザーの最低限の期待を満たせなかったときに起きる
(3)コンセプト(Premise)の失敗
そもそものアイデアが、人々の興味を引かないものだったときに起きる

◆ロングイット(The Wrong It)
たとえきちんと作って売ったとしても市場で失敗する、そもそもが間違ったアイデア

◆YOD(Your Own Data)
あなた自身のアイデアに関して、あなたやあなたのチームが自ら実験・収集したデータ
適切なYODと見なされるためには、「身銭」を伴わなければならない

◆身銭
あなたのアイデアに関心がある証拠として市場から提供される、何かしら価値があるもの
最もわかりやすい「身銭」はお金(支払い済みの予約、デポジットなど)だが、相手の時間や個人情報、評判なども「身銭」になりうる

◆XYZ仮説
少なくともXパーセントのYはZする
このときのXはターゲット市場(Y)における特定の割合を意味し、Zはその割合の人々がアイデアにどう反応するかという予想を表す

なかなか奥が深い本書、時間を取って、もう一度じっくり読んでみます。

NO FLOP! 失敗できない人の失敗しない技術』(アルベルト・サヴォイヤ)

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