タイトルに惹かれて手に取りました。
アイデアは敵の中にある
(根津孝太さん)


 
著者の根津さんはプロダクトデザイナー。
トヨタ自動車で13年間勤めた後に独立。
サーモス社の水筒やアフタヌーンティーのランチボックス、タミヤのミニ四駆「アストラルスター」などのプロダクトデザインを担当した実績をお持ちです。
1969年生まれなので、大谷更生と同級生です。

最も深く頷いたのは、ここでした。
131ページ
お客さんのクレームは、製品の完成度を上げれば上げるほど、かえって増えていくものです。
欠けている部分が際立つようになり、細部にわたって要求値も上がってくるからです。

よかれと思ってやったことが逆効果なんてこと、けっこうありますよね。

 

共感した箇所

53ページ
自分の意見が否定されたとき、落ち込んだり、ふて腐れたりする必要などまったくありません。
ちょっと視点を変えて、
「これは新しいアイデアを生み出す手掛かりなんだ」
と意識できれば、自分を縛っている枠組みや殻を打ち破ることができるはずです。

66ページ
重要なのは、人と話をして、自分が変化すること。
クリエイティヴなコミュニケーションとは、そこから何かが生まれ、何かが創造される会話のあり方です。
「反対意見こそ創造性の源泉」と言うのは、自分が変わることのできるキッカケを、自分とは違う考えが与えてくれるからなんですね。

74ページ
多くの場合、コミュニケーションの過程にポジティヴな要素が不足しているからです。
相手の能力が不足しているのではありません。
自分の出した仮説が、相手を活性化できていないんです。
そんなときは、自分からまた新しい仮説を提示するか、相手の懐に入って、さらなるアイデアを引き出すしかありません。

77ページ
変わることを恐怖と捉えるのではなくて、逆に、変わり続けられない自分に恐怖します。
「素直」とは具体的に、変わり続けることを恐れない柔軟性なんです。

81ページ
相手はときに、悪意すら持って質問してくる。
そこでぼくは、「悪意」という苦いパウダーを濾過する努力をします。
相手がネガテイヴな感情に囚われる理由が、自分のなかにあるはずだと考えるんですね。
悪意に悪意を返さない。
戦略性をもって、何かポジティヴな要素はないか、時間をかけて探し当てようとします。

89ページ
新しいアイデアは、往々にして敵対する人のなかにあるものです。
敵対するということは、自分だけでは気づけない何かが、相手のなかにあるからです。
それを探らないで最初から突っぱねてしまうのは、非常にもったいない。
「会話のなかに反対意見が差し込まれたら、ラッキーと思え」。
相手の異物を宝物として、「戦略的な思考」をもって向き合うことの意味です。
それは「自分を成長させてくれるまたとないチャンス」なんです。

93ページ
アイデアは、自分ひとりで完結するものではなく、相手とコミュニケーションをとってはじめて実現可能になるものなんです。
だとすれば、自分以外の相手がいる限り、アイデアが尽きることはありません。
ましてや相手が自分と対立する意見の持ち主なら、なおさら思ってもみなかったアイデアに辿り着くことができるんですね。

 
自分と意見が違う相手を敵とみなして戦いを挑んでしまいがちな方におススメな一冊です。

 
アイデアは敵の中にある
(根津孝太さん)


 

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