10年来の友人で人事制度構築の専門家 榎本あつしさんの4冊目の著書『「A4一枚」賃金制度


昨年末に入手して、しっかり読まなきゃと思っていながら、専門外のテーマということもあって、しばらく積ん読。
昨今の不要不急の外出自粛で時間ができたので読み始めたところ、この文章が目に入り、「これは最後まで読まなきゃ!」と思って一気に読み終えました。

◆人事制度へのニーズが高まっている
人事制度の「目的」が変わってきたからです。
いままでは、「給与を決めるため」「公平な査定をするため」という目的が多くを占めていました。
そこから、「人材の定着のため」「動機づけのため」「人材育成のため」という目的に変わってきたのです。
人材不足が叫ばれ、どの企業もなかなか人を採用できない、定着してもらわなければならない、育成をしていかなければならない、という直面している問題に対して、その解決策として「人事制度」を活用しよう、という方向に、目的がシフトしてきたのです。

穏やかな物腰に時折混じる毒舌、絶妙なバランスです。

◆運用が大変なのではなく、「お茶を濁す」のが大変
それは、この「調整作業」が大変なのです。
つじつまを合わせなければならない、賃金表どおりに昇給させたら資金が足りなくなる、どの社員とどの社員をどれくらいの差にしよう、というような、「調整」に相当な手間暇をかけ、神経を使い、「あぁ、人事制度は運用が大変だ」と言っているのです。
私はこのような、つじつま合わせや調整する作業のことを、よく「お茶を濁す」と表現しています。

やる気を引き出す仕組み作りのコツ

本来、人事評価では、「成果を出したこと、成長したこと」は大いに評価して、動機づけにつなげたいのです。
会社はしっかり頑張っていることを見ているよ、と伝えるべきなのです。
一方、「足りなかったこと、まだ身についていないこと」は本人も上司も課題として認識して、次期以降の成長につなげていってもらいたいのです。

評価するポイントは、役割やスキルを「発揮」しているかどうか、です。
どんなに知識や技術が高い(スキルがある)人であっても、評価期間中に具体的に行動して、それが表に出ていないと評価対象とはなりません。
”保有”スキルは評価しないで、”発揮”スキルを評価しましょう。
「ポテンシャル」ではなく、「パフォーマンス」を評価するのです。

たとえば、ネーミングを次のように変えてみてはいかがでしょうか。
「人材育成制度」「自己成長制度」「成長サポート制度」「育成サポート制度」「目標達成支援制度」「成長支援制度」「成長支援システム」「○○会社人材システム」…。

運用がうまくいっているというのは、「目的」に近づいているということです。
(中略)
うまくいったり、うまくいかなかったり、大変な時期があったりしても、人事制度を回しているなかで、ちゃんと人材育成につながっている、業績が向上しているのであれば、それは「うまく運用できている」人事制度なのです。

「A4一枚」賃金制度』(榎本あつしさん)

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