これから企画する研修の参考になればと思って手に取りました。
部下を持ったら必ず読む「任せ方」の教科書』(出口治明さん)

一番印象に残った箇所

私は「人間ちょぼちょぼ主義者」です。
要するに、
「人間の能力は、それほど高くはない」
「人間には、とくに賢い人も、とくにアホな人もいない。ちょぼちょぼである」
と考えています。
(中略)
「ちょぼちょぼの自分」にできることは限られています。
何事かを成し遂げようと思っても、一人では何もできない。
ビジネスを成長させるためには、他人の力を借りなければならない。
人の能力も、時間も有限で、すべてを持ち合わせている人はいません。
だからこそ、任せる。
だからこそ、補い合えるチームづくりが必要です。

そう考えることができると、どんな人にも優しくなれる気がします。

仕事を任せるコツ

◆あなたにはこの「権限の感覚」がありますか?
権限を与え、仕事を任せたあとの大事なルールがあります。
それは、ひとたび権限を委譲したら、その権限は「部下の固有のもの」であり、上司といえども口を挟むことはできないというものです。
(中略)
「権限は、一度与えたら、あとから取り戻すことはできない」
「職責上位者だからといって、オールマイティではない」
「上司は、部下の権限を代行できない(不在時は除く)」
仕事を「任せる側」は、こうした「権限の感覚」を身に付けることが重要です。

◆的確な指示は「双方向のコミュニケーション」
「的確な指示」とは、双方向のコミュニケーションです。
「上司から部下」への一歩通行ではなく、「上司から部下、部下から上司」の相互通行によって成り立つのです。
上司の指示がわからなければ、部下は指示の内容を理解するまで、聞き直す必要があります。
(中略)
指示を出す側
「部下が動きやすいように、具体的かつ的確な指示を出す」
指示を受ける側
「指示の内容を理解できるまで聞き直す。偽りのない報告をする」

◆的確な指示を出すための4条件
条件①「期限」を示す
「いつまでにやらなければいけないのか」、仕事の期限(時間)を示しましょう。
条件②「優先順位」を示す
上司は、「任せた仕事」と「部下がすでに持っている仕事」を比べて、「これが1番、これが2番、これが3番…」と優先順位を示してあげる。
優先順位をつけて、「任せる仕事」の時間枠を取ることが大事です。
優先順位は「時間の順位」のほかに「価値の順位」も含まれます。
価値とは、「与えた仕事の中で、もっとも重視する要素」のことです。
条件③「目的・背景」を示す
部下の創意工夫を引き出すためにも、「目的と背景」をきちんと伝えるべきです。
条件④「レベル」を示す
「完成品」を望んでいるのか、「半製品」を望んでいるのか、仕事のレベル(質のレベル)を明確に示します。

◆上司は「結果責任」の見返りとして高給をもらう
上司であれ、部下であれ、権限を与えられている者は、権限の範囲内で「責任」を負うことになります。
そして、権限が大きくなるほど、責任も重くなります。
上司は、「部下に仕事を任せる権限」を持っているのですから、部下が結果を出せなければ、最終的には「上司の責任」です。
部下の失敗は、上司の責任になるのです。
ビジネスの世界は「結果責任」です。
理由はどうあれ、結果がともなわなければ、責任を取らなければなりません。

◆自分で抱えてしまう人の3つの特徴
①「人間の能力や使える時間は有限である」ことがわかっていない
②部下の仕事が「60点」では納得できない
③判断のスピードが遅い

◆部下に「100%力を発揮してもらう」のは、間違いである
人間は、元来、怠け者です。
そして社会は、「2・6・2の法則」でできています。
そのことを受け入れたうえで、
「では、誰に、どんな仕事を任せたらいいのか」を考えるのが、上司の仕事なのです。

◆「鉄タイプ」の部下、「瓦タイプ」の部下
人間の特性は、大きく「鉄タイプ」と「瓦タイプ」に分かれると思います。
鉄タイプ
仕事に負荷をかけるなど、叩いたほうが伸びるタイプ
瓦タイプ
時間をかけながら、じっくり育てたほうが伸びるタイプ

部下を持ったら必ず読む「任せ方」の教科書』(出口治明さん)