タイトルめちゃめちゃインパクトありました。
「評価をしない評価制度」
(榎本あつしさん)
榎本さんはABA(応用行動分析学)理論を活用した組織活性化における日本の第一人者。
すごい方ながら、大谷更生の最も古い友人のひとりで、まだKDDIに在籍していた15年前くらいから交流が続いています。
本書は榎本さん5冊目の著書です。
著者の榎本さんによると、評価をしない評価制度とは、人事評価制度を導入する5つの目的のうち、「給与・賞与等の処遇の決定」「社員のスキルや適性の把握」を思い切って捨てて、残りの3つの目的「人材育成」「動機づけ」「ベクトル合わせ」による社員のパフォーマンス向上を目指すのにピッタリな制度とのこと。
人事評価制度の構築だけでなく、人材育成にも活用できる一冊だと感じました。
最も印象に残ったのは↓です。
69ページ
ビジネスの場で上司が陥りがちな間違いがここにあります。
自分には身についている行動により簡単にできる「成果」だからといって、そのまま部下に「行動」として指示、指導をしてしまうのです。
(中略)
そして、部下がうまくできない、なかなか進まないということに対して、成果ではなく行動と思い込んでいる上司は、やる気がない、本気ではない、などといって思考停止に陥っているかもしれません。
小学1年生の自転車教室なのに、「早く自転車に乗って」といっているようなものなのです。
印象に残った箇所
49ページ
人というのは不思議なもので、満足・不満足は絶対値で決まるのではなく、期待値との相対的な差で決まります。
62ページ
「パフォーマンス・フィードバック」とは「行動事実の振り返り」のことです。
67ページ
成果
相手や運、環境などの要素があり、結果が左右されるもの。
行動やパフォーマンスの後の結果でもある。
行動
自分自身でできること。
しかし、その質や量は問われず、ただ行なっているだけのもの。
パフォーマンス
ただやるだけの行動ではなく、質や量が加わり、人により差が出てくるもの。
また、外部要素なしで、自分で出せる結果のこと。
181ページ
「運用がうまくいく」とは、本来は「目的が実現できている」ということなのです。
204ページ
「運用がうまくいく」5つのポイント
ポイント①
評価スキルよりも記録のスキルを
ポイント②
日時を決める
ポイント③
チームのグラフを掲示する
ポイント④
小さな集団から始める
ポイント⑤
有期でトライアルを実施する
大谷更生の良書の基準は言葉の定義が明確なこと。
本書は間違いなく良書です。
「評価をしない評価制度」
(榎本あつしさん)
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