3/2(土)に参加したDAF15で聞いた山伏枠 佐野稔さんのお話が印象に残っていたおかげか、思わず手に取ってしまいました。
山伏と僕』(坂本大三郎さん)


著者の坂本さんはデザイナーをしながら羽黒山(山形)で山伏修行を重ねて山伏になった方です。

本書で印象に残ったところが3箇所あり、いずれも「生と死」について書かれていました。

◆なぜ「そこ」へ向かうのか?
多くの信仰は儀礼によって、そんな生と死の混在する世界に触れ、すべての存在がつながりを持つ状態に戻ろうとしているのかもしれません。

◆山伏に習う意味
ありのままの世界と向かい合い、生と死の混在する領域に分け入ることで、自らのうちに「豊かさ」をとり込み、人間の本性を躍動させること。
それが、信仰であり、芸術であり、芸能なのではないでしょうか。
そして、それを実践したのが原初の山伏なのでしょう。
僕は山伏の世界に飛び込んでみることで、知識だけでなく身体を通して、それを理解、実感したいと考えています。

◆ごはんがおいしいと感動する感覚
山伏、古代、精霊というと、難しい話のように感じるかもしれません。
ただ、言い替えれば、僕が大切にしたいと思うのは、ごはんがおいしいと感動したり、自然の美しさにみとれたりするような、素朴で身近な感覚です。
その根底には、常に、生と死が混在する世界が広がっています。

そして、山伏修行で使われる用語解説も興味深かったです。
◆承けたもう
返事は「はい」ではなく、「承けたもう」で応えることも教わりました。
羽黒山伏の返事には、それ以外の言葉はありません。
すべて受け入れて、どんなことも断らないという意味だそうです。

◆注連(しめ)
首からは紙で編まれた首飾りのような物をかけます。
「注連」と言って、神棚や御神木にかける注連縄と同様、結界を張り、山中で自分を守ってくれるそうです。
これを直接、床や地面に置いたり、着けたままトイレに入ってはいけないしきたりも教わりました。

◆勤行
勤行とは、祝詞や般若心経などのお経を唱えることです。

◆抖藪(とそう)
簡単に言えば山歩きをして心や身体を浄化する修行で、歩く瞑想とも言われているそうです。

◆壇張り
修行中の食事
ほんの一口のごはんにタクワン二切れ、それに具の無い味噌汁

◆水垢離(みずごり)
水浴びをして心身を清める

◆直会(なおらい)
修行をした者が、日常生活に直るための宴

◆出生(でなり)
この世に再び生まれ出る

坂本さんの適度な力の抜け具合が心地よかったです。
山伏と僕』(坂本大三郎さん)