今年に入って依頼が増えてきた、コミュニケーション研修プログラムのさらなる充実を図るために、手に取りました。
そこまでするか!モンスタークレーマー(関根眞一さん)
理不尽と感じるクレームをつけてくる、強烈なキャラを持つクレーマーの深層心理を、ゾクッとするような事例とともに解説した一冊です。
◆クレーマー2つの特徴
一つ目は相手が法律的な裏づけをもとにクレームをつけてくることだ。
それにはこちらも深い知識は持たないまでも、相手より上でなければ対抗できない。
二つ目は、クレームに対して書面での謝罪を要求するケースが急激に増えていることだ。
それは間違いなく増加していくだろう。
書面での対応は書くことも厄介だが、記録として残ることも重視する必要がある。
◆クレーマーが多い年代、少ない年代
個人でも年齢で言うならば、20代は苦情が少ない。
それには二つの理由がある。
一つ目は、苦情社会に育ったお陰で苦情が嫌なことと知っているという点だ。
二つ目は、社会に出て日が浅いため苦情を言った経験が少ないからではないかと想像できる。
現実には、どの業界でも年代が上がるごとに苦情を言う率が上がっている。
そして、そのトップは60代である。
◆なぜ、クレーマーでない人をクレーマーと呼んでしまうのか
その理由の一つとして、対応する側、つまり利益を得る側の「知識」の欠如から、相手の言い分(正論)が理解できず、分からない部分を押し戻そうとする、ということがあります。
相手は、元来異常なクレームをつけているわけではなく、そのしつこさに「クレーマー」という名称がつけられ避けられていただけで、先方に悪意などほとんどありません。
しかし、納得できない相手はさらに勉強し、後になって押し返してきます。
そこでも、また知識不足から押されっぱなしになります。
たとえ、それがいちゃもんであっても語彙を使って対応するのがお客様相談室の役割なのです。
◆苦情とは
苦情は人と人の間に生じるものです。
苦情というものは、どの世界においてもなくなることはないでしょうし、今後減ることもないでしょう。
(中略)
もう一つ、こんな考え方はできませんか。
「苦情は起きるもの」と考え、肩の力を抜いてください。
苦情が長引いても、必ず終わりがあります。
終わり方には何通りかあります。
「納得していただいた」
「補償・弁償した」
「物別れに終わった」
「対応を拒否した」
などありますが、どちらにしても終わりは終わりなのです。
◆詫び状で大切なポイント
①相手が読んで、全体的に和む文章であること
②わずかな言葉遣いでも、相手の癇に障るようなことがないこと
③詫び状から、つけ入るすきを与えないものを作ること
④言い訳を書く場合は、文章の後半部に書き、「言い訳になってしまいますが」と、お断りした上で書くと柔らかく受け入れられる
⑤最後は「そうか、そこまで気遣ってくれるなら、また行くか」という気持ちになるような文章にすること
◆気分よく苦情を言おう
①苦情の経緯を時系列にまとめる
②紙面や手帳に書いて、それを見ながら冷静に伝える
③相手の返事の期限を確約する
④相手の未熟さや対応不良に怒らない
⑤通じないときには、上司の参加を希望する
これらのことに留意して冷静に伝えれば、受ける側も真摯な対応をせざるを得ないでしょう。
相手の対応に不満やストレスを感じたとき、今後は「相手がもっとよくなるために何を伝えるべきか」を意識して臨みます。
そこまでするか!モンスタークレーマー(関根眞一さん)
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