8/23(木)~8/24(金)で講師を務める企画力研修、はじめてのテーマということで、何かヒントになればと思って自宅の本棚から取り出したのが、この本でした。
社会を動かす企画術(小山薫堂さん)
◆企画とは
僕はいつも企画はサービスで、サービスは「思いやり」だと言っています。
どんな仕事でも「企画=サービス=思いやり」が必要です。
例えば、ネジを作っているだけの仕事でも、じゃあそのネジを運ぶ人がどうやったら楽しく運べるだろうか…と考えることもひとつの企画でありサービスなのです。
◆ちょっと変えてみる
何か特別なものを買ったり、新しいことを試みたりするのではありません。
日常をほんのちょっと変えてみる、見方を変えてみるだけで、違った自分になることができる。
そんなやり方を目指しています。
だから、道具などは必要ありません。
やはり意識、気持ちをどうするか、なのです。
◆ifのスイッチ
僕は今、大学で教鞭を執っていますが、学生に「ifデザイン」というものをやらせています。「もし○○だったら」というようなところから行うデザインです。
「もし道路がなかったら」とか「もし階段がなかったら」と考える。
そうするうちに、それぞれのものに意味が出てきて、いろいろな物への「ありがたみ」が生まれてくるのではないでしょうか。
日常の中で、いつもifのきっかけはあります。
想像力を働かせて、一番身近なものにifのスイッチを見つけることが大切。
なにより特別ではないことで、それを見つけるのが大切です。
◆『おくりびと』がもたらした話
僕は自分の満足のために関係する仕事というのは、深く広がっていかない気がするのです。
その仕事の先に誰がいるのか、それが大事なんだと思えてなりません。
◆僕の怒り方
僕は人を怒る時、感情に任せて怒ることはせず、静かに怒ります。
大声で怒ることはせず、静かに厳しいことを言います。
静かな口調で、「何で僕が君をダメだと思っているかわかる?そのために僕は君のダメなところを書き出してみたんだ。それを一つずつ君はクリアしていくように努力してほしいんだ」という感じで、優しく怒ることにしています。
大谷更生も怒るときは、こんな感じです。
◆きっかけづくり
僕は仕事をする時に、「何をやるか」というより「何故やるか」という意思決定をします。
その時に思うことは、その仕事を自分がすることによって、社会に小さな波が起こったらいいなということです。
◆ラブレターは企画書
恋愛って、サプライズに似ています。
「どうやったら相手に喜んでもらえるか」というのを常に考えているのですから。
「しあわせの連鎖」をいつも期待しているのですから。
だから、恋愛をすることは、ほんとうに大事です。
ぜひ恋愛を忘れないでください。
恋愛を成立させようと努力することは、実際、僕たちが事業やイベントを企画することに相通じる面があります。
となると、ラブレターはまさに企画書。
ラブレターも企画書も、いかに相手に「うん」と言わせるか。
ね、同じでしょ。
妄想首都高
「東京スマートドライバー」プロジェクトが誕生する前、民営化直後の首都高。
若手メンバーたちが集まって夜な夜な行われていた極秘のミーティングはこんな感じでした。
「首都高でF1やったらどう?モナコみたいに。自動車レースのツールドTOKYOもいい?高架下で農園もいいね。二四六号の高架下ライトアップストリートは?パーキングエリアで足湯休憩したい。首都高で振動発電できたらスゴイ。シドニーみたいにレインボーブリッジを登るツアーあったらいいね…こう考えるって楽しいね。もしかするともっと東京が元気になって、東京がもっと好きになるかもね…」
法律がとか。警察がとか。苦情がとか。
というおなじみお役所意見はひとまず置いておいて、物事をゼロから眺めてみる会議。
制限を取り払って、ひとりの旅人になって、初めて見たような素直な目で楽しんでみる経験。
できるかできないかで創造力を止めないでイメージの翼を広げ悠々と感じて話し合う。
これまで業務の名目で抑えられていた、ひとりのヒトとしての溜め込んでいた思いが空間に炸裂して創造性につながっていく。
高速道路という古くて重くて硬い概念がゆっくりとしなやかにシフトし始める瞬間でした。
このエピソード、グッときたので本日の研修で紹介しました。
社会を動かす企画術(小山薫堂さん)
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