先日読んだ「ルポ 日本のDX最前線」で紹介されていたので手に取ってみました。
「ソフトウェア・ファースト」
(及川卓也さん)
著者の及川さんは、日本一のプログラマーと呼ばれた方です。
早稲田大学理工学部
⇒日本DEC
⇒マイクロソフト
最終的には日本語版と韓国語版のWindows開発統括
⇒Google
プロダクトマネージャとエンジニアリングマネージャー
エンジニアリングマネージャーとして、Chrome、Chrome OS、Google日本入力などを担当
2012年に「NHK プロフェッショナル仕事の流儀」に取り上げられ、日経ビジネス「次代を創る100人」にも選出
2019年にテクノロジーにより企業や社会の変革を支援するTably株式会社を設立して代表に就任
本書を読み終えて、
「なぜDX?」
「何のためのDX?」
といった問いに対する明確な定義がなされていると感じました。
会社や上司からDX推進を任せられて頭を抱えていらっしゃるなら、まずは本書の3章だけでも目を通すと、何かヒントが得られんじゃないると思います。
目次
はじめに
1章
ソフトウェア・ファースト
2章
IT・ネットの“20年戦争”に負けた日本の課題と光明
3章
ソフトウェア・ファーストの実践に必要な変革
4章
これからの「強い開発組織」を考える
5章
ソフトウェア・ファーストなキャリアを築くには
おわりに
付録
モダンなプロダクト開発を行うための技術と手法
印象に残った箇所
109ページ
筆者なりにその意味を解釈すると、自社プロダクトの進化にかかわる重要な技術を自分たちが主導権を持って企画・開発し、事実上の武器にしていくことを「手の内化する」と言うのでしょう。
145ページ
ヒューレットパッカードやイーベイなどに勤務し、プロダクト開発のバイブル的な著作『Inspired:顧客の心を捉える製品の創り方』(マーレアッズーロ)で有名なマーティ・ケイガン氏は、自著の中で「アップルに学ぶ」と題して次のように言っています。
1.ハードウェアはソフトウェアのためにある
2.ソフトウェアはユーザーエクスペリエンスのためにある
3.ユーザーエクスペリエンスは人々の感情を満足させるためにある
177ページ
ソフトウェア・ファーストを実践し、DXを推進する際は、企画の段階から
「自分たちが提供するプロダクトや事業が何を成し遂げたなら、ユーザーの課題を解決していると言えるのか」
を考え抜くことが大切です。
その上で、ユーザーに価値提供している状態をどうやって計測するか、考えましょう。
189ページ
開発のミッションとなるプロダクト原則は4Sと呼ばれ、当時から今に至るまで変わっていません。
スピード(Speed)、安定性(Stability)、セキュリティ(Security)、単純さ(Simplicity)の4つのSから始まる単語で示されるもので、今でもChromeのオープンソースプロジェクトであるChromium(クロミウム)のサイトに掲載されています。
「ソフトウェア・ファースト」
(及川卓也さん)
大谷更生の発想の源泉をお届けするために、毎日12:00に配信しているメールマガジン『日刊「大谷更生」』の読者登録は↓