2020年もキャッシュレス決済の講師を務めるため、タイトルに惹かれて手に取りました。
2049年「お金」消滅』(斉藤賢爾さん)


タイトルの「お金」だけでなく、「仕事」「学び」「社会」など、さまざまなテーマの未来について、エンジニアから大学教授に転身した著者ならではの視点で解説されていました。

興味を覚えた解説

◆SFプロトタイピング
SFには、現在の人類にとって未知の技術がしばしば登場し、その周りにドラマが生まれます。
研究でも、新しい技術について考える際は、それが実際に社会に導入されたとしたら、どんなドラマを巻き起こすか、まずSF作品として描いてみることで、その技術の意味をより深く理解し、社会で用いていく上での課題を明らかにすることができます。

◆テトラッド分析
テトラッドという言葉は「4つ組」という意味で、具体的なメディアに対して「強化」「衰退」「回復」「反転」の4つの問いかけをして、その答えを考えることを通して、メディアの本質とそれが社会にもたらす作用を露わにします。

◆お金とは
「お金」は信用の代替品です。
「お金」の無い世界では、互いに信用ある仲間たちの間で、贈与や分配によって必要なもの・もらって嬉しいものを融通し合います。
しかし「お金」はこうした互いとの信用を不要にし、社会における信用を数値化することで、見ず知らずの相手とも取引することを可能にしました。

◆学ぶとは
これからは、自分で学ぶべきと感じる対象を見出し、学ぶ姿勢がなければ、すなわち「自ら学ぶ」こと自体を学ばなければ、それこそ簡単に機械に置き換えられてしまいかねません。
あらゆる知識へ自由にアクセスできるような時代には、従来のような上から知識を下げ渡すような教育や、その知識の定着を問う試験の意味はどんどん希薄化するはずだからです。

◆未来の社会
私は、これからの未来、社会は一人ひとりが自分自身の「知りたい」「やりたい」「なりたい」といった探求を続けられる場所へと向かっていくのだと思います。
さらに言えば、社会におけるそうした価値観のシフトを通して、「お金」の社会的な地位もを大きく変容せざるをえないのです。

◆自由貨幣
自然的経済秩序』(ゲゼル)
ゲゼルはジャガイモや鉄が朽ちるように「お金」も朽ちていくのでなければ、交換において「お金」を得ることが常に優位になり、人々は「お金」を手放したくなくなるので、逆に交換は阻害されると考えました。
そこで、時間とともに金の額面的な価値を減少させていくための「自由貨幣」のアイデアをこの本の中で詳細に述べたのです。

2049年「お金」消滅』(斉藤賢爾さん)

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