大谷更生が問題解決などのビジネススキル研修で講師を務めるとき、最初に必ず取り組む演習があります。
短所変換
印刷した短所変換シートとタイマー、筆記用具を用意してください。
まずはシートの左側「短所」を埋めていただきます。
ご自身の短所、弱点、弱み、イケてないところなど、思いつくままに書き出してください。
書き方は自由、単語でも、箇条書きでも、文章でもOKです。
制限時間は2分です。
では記入をお願いします。
はいっ、2分たちました。
手を止めてください。
次はシートの右側を埋めていただきます。
短所変換なので、短所の反対。
左側に書いた短所を、長所、強み、得意なことに変換して記入してください。
「そんなこと言われても、短所は短所なので変換できないよ」
そんな心の声が聞こえてきましたので、ひとつヒントをさしあげます。
いま書いた短所がご自身の短所だということは、いったん忘れましょう。
その代わりに、ひとり思い浮かべていただきたい方がいます。
あなたと一番仲がいい友達や親友、面倒を見ている後輩です。
頭の中にひとり思い浮かびましたでしょうか。
思い浮かんだら、次にこんな場面を想像します。
思い浮かべた親友や後輩が、あなたのところに相談にやってきました。
相談のテーマは先ほどあなたが書いた短所。
目の前の親友、後輩は、この短所のせいで、食事が喉を通らないくらい落ち込んで、悩んでいます。
そんな親友や後輩を元気づけ、励ますために、どんな言葉を伝えるでしょうか。
例えば「口下手」という短所。
大谷更生だったら、こう変換します。
「●●さんって、話しやすいよね」
「聞き上手だよね」
「しっかり聴いてくれるので、安心して何でも話せるよ」
「いつもちゃんと聴いてくれて、ありがとう」
こんな感じでOKです。
変換に絶対的な正解はありません。
正解かどうかは相手の反応で決まります。
あなたの言葉を聞いた相手が
「ありがとう、やる気が戻ってきた」
「もう一度がんばってみようと思う」
そんな返事をしてくれたらバッチリです。
そろそろ短所変換に取り組んでみましょう。
制限時間は3分です。
記入をお願いします。
はいっ、お疲れさまでした。
全て変換できましたでしょうか。
もし、どう考えても思いつかなかったときは奥の手があります。
「ネガポ辞典」
◆Androidアプリ
◆iPhoneアプリ
ネガポ辞典を企画したのは北海道の高校生です。
全国高等学校デザイン選手権(通称デザセン)2010で第3位となり、審査員長の小山薫堂さんに「元気になれる心のアプリ」と絶賛されて2011年6月にリリースされた、ネガティブな言葉をポジティブな言葉に言い換えるアプリです。
この企画は書籍もベストセラーになりました。
ネガポ辞典 実践編
例えば、ネガポ辞典で「飽きっぽい」を検索すると、「気持ちの切り替えが早い」「視野が広い」「行動力がある」と出てきます。
最初のうちは上手く変換できなくてネガポ辞典に頼らざるを得ない場面が多いかもしれませんが、経験を積めば自力で短所変換できるようになります。
なぜ短所変換をビジネススキル研修の最初に散り組むのか。
それは視点を変える訓練になるからです。
問題をある一つの側面だけでしか見ていないと見方や考え方が偏ってしまい、問題の本質をとらえるのは難しくなります。
そこで「視点を変える」
問題を多面的に観察することで、さまざまな切り口で分析を進めることができ、結果として素早く問題の本質にたどりつけるようになります。
視点を変える訓練に短所変換、よかったら取り組んでみてください。
本演習は以下研修で実施しています。
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