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19.しゃべらない講師の作り方

「社内の勉強会で講師をやってほしいと言われたのですが、話すのが苦手で、人前に立つと心臓がバクバクします。どうしたらいいでしょうか?」
そんな相談をいただいたとき、私の答えは決まっています。
「しゃべらない講師になってみてはいかがですか」

講師はしゃべらなければならないというのは思い込みです。
まだ会社員だった2007年、
「講師をやってほしい」
と初めて言われたとき、私はこう考えました。
「どうしたら、できるだけしゃべらないで講師ができるだろうか?」

私が話す場面をできるだけ少なくしたところ、予想以上の好評価。
「次いつやりましょうか」
に応えて何度も講師を務めたところ、今では講師が仕事の柱になってしまいました。

しゃべらない講師のポイントは3つです。
①決める
②巻き込む
③ネタにする
 

①決める

決めるのは「ゴール」です。
ゴールとは受講するメリットのこと。
例えば
「何日かけてもできなかった企画書の目次が仕上がります」
「60秒自己紹介が完成します」
「個人名刺に何を書いたらよいかで迷わなくなります」
受講者がどんなメリットを望んでいるかを踏まえて、相手の期待に応えるために自分がどんな価値を提供できるか、とことん突き詰めましょう。

②巻き込む

講師⇒受講者の一方通行だけだと、受講者の集中力は途中で切れてしまいます。
講師⇔受講者、受講者同士といったように、双方向で場を進行することを心がけてみましょう。
例えば、解説のあとに演習を行う。
「このシートに質問の回答を書いてください」
「書いたシートをもとに、お隣同士で話し合ってみてください」
「話し合った内容を発表してください」
受講者を巻き込んでアウトプットを促すことで、理解度がさらに高まります。

③ネタにする

質疑応答で答えられない質問が受講者から発せられたとしても、慌てることはありません。
そんなときは、まずこう言ってください。
「とてもいい質問ですね」
次に、受講者全員に質問を投げかけます。
「この質問について、お隣同士で話し合ってみましょう」
最後に、受講者から答えを引き出します。
「この質問について、答えられる方はいますか?」
それでも答えが出なかったら、次回までの宿題として持ち帰ってください。
しっかり質問と向き合う姿勢を見せることで、受講者の信頼を得ることができます。


本コラムは冊子「売れ続ける講師ノウハウ大公開」に掲載しています。


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