「社内の研修会で講師をやってほしいと言われたのですが、話すのが苦手で、人前に立つと心臓がバクバクします。どうしたらいいでしょうか」
そんな相談をいただいたとき、大谷更生の答えは決まっています。
『しゃべらない講師になってみてはいかがですか』
講師はしゃべらなければならない、というのは思い込みです。
ちょうど10年前、「講師をやってほしい」と初めて言われたとき、大谷更生はこう考えました。
『どうしたら、できるだけしゃべらないで講師ができるだろうか?』
自分がしゃべる場面をできるだけ少なくするプログラムを作成したところ、そのセミナーが予想以上に好評。
「次いつやりましょうか」
と言われることが続いて、今では講師が事業の柱になってしまいました。
しゃべらない講師のポイントは3つです。
①ゴールを決める
②受講者を巻き込む
③質問をネタにする
①ゴールを決める
ゴールとは受講するメリットのこと。
例えば
「●●の悩みが軽くなります」
「問題が起きても慌てることなく冷静に対処できるようになります」
「何日かけてもできなかった企画書の目次が仕上がります」
「60秒自己紹介が完成します」
「個人名刺に何を書いたらよいかで迷わなくなります」
受講者がどんなメリットを望んでいるかを踏まえて、相手の期待に応えるために自分がどんな価値を提供できるか、とことん突き詰めましょう。
②受講者を巻き込む
講師⇒受講者の一方通行だけだと、受講者の集中力は途中で切れてしまいます。
講師⇔受講者、受講者同士といったように、双方向で場を進行するようにしましょう。
例えば、解説をしたら
「このシートに質問の回答を書いてください」
「書いたシートをもとに、お隣同士で話し合ってみてください」
「話し合った内容を発表してください」
受講者を巻き込んでアウトプットを促すことで、理解度がさらに高まります。
③質問をネタにする
最後の質疑応答、もし受講者から答えられない質問が来たとしても、慌てることはありません。
そんなときは、まずこう言ってください。
「とてもいい質問ですね」
次に、受講者全員に質問を投げかけます。
「この質問について、お隣同士で話し合ってみましょう」
最後に、受講者から答えを引き出します。
「この質問について、答えられる方はいますか?」
それで答えが出なかったら、次回までの宿題として持ち帰ってください。
しゃべらない講師3つのポイント、人前で話すのは苦手だけど、話さなければならなくなって密かに悩んでいる、あなたのお役に立てたら嬉しいです。
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